動脈硬化
◆動脈硬化とは
加齢や種々のリスクファクターにより、血管壁が硬くなったり、内腔が狭くなったりする状態です。
その結果、血圧が上昇したり、様々な臓器に血流障害を引き起こしたりします。
健康な血管 |
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血管内皮細胞下の血管壁にLDL(悪玉)コレステロールが溜まる。 また、中膜の平滑筋細胞も増殖し、プラークができ、血管内皮が厚くなる。 |
動脈硬化 | ||||
脂質に富むプラークは破れやすく、一部が破れると血栓(血のかたまり)ができる。 | |||||
血栓が大きくなると血液の通り道が狭窄したり塞がってしまう。 ↓ 心筋梗塞・狭心症などを発症! |
◆動脈硬化を引き起こす危険因子(リスクファクター)
@高血圧
高血圧により血管壁が障害を受け、動脈硬化が進行します。
血管が硬くなることで、さらに血圧が上昇する悪循環を生じます。
A高脂血症
中性脂肪・悪玉コレステロールの増加により、血管壁にコレステロールが溜まり、血管が硬くなります。
B喫煙
タバコの煙に含まれる一酸化炭素によって血管壁が障害を受けます。
さらに、ニコチンにより血管壁が収縮されるので高血圧の原因にもなります。
C糖尿病
血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化が10年早く進むと言われています。
糖尿病は、高血圧や高脂血症などを合併しやすいため、さらにリスクが高くなります。
D肥満
特に内臓脂肪型の肥満は、高血圧や高脂血症、糖尿病などを合併しやすくメタボリックシンドロームと言われています。
E通風(高尿酸血症)
高尿酸血症になると高脂血症を合併しやすくなります。
Fストレス
ストレスを感じると、交感神経が活発になり血管が収縮して血圧が上がります。
また、血液中に活性酸素が増えるので、血管が傷つきやすくなります。
「高脂血症」「高血圧」「喫煙」は、三大危険因子と呼ばれます。
◆動脈硬化症の検査
@頸動脈超音波検査
頸動脈(首筋を流れる動脈)に動脈硬化が起こると、脳梗塞(特に塞栓症)の原因となります。
超音波検査は、頸動脈に動脈硬化が起こっていないか、血栓ができていないかを画像として見るための検査です。
A血圧脈波検査
動脈の硬化度や狭窄度を調べる検査です。血管年齢が分かります。
B眼底カメラ検査
眼球内の血管の様子を撮影し、動脈硬化を起こしていないかを見るための検査です。
動脈硬化は加齢とともに進行します。また、偏った食生活、運動不足などの生活習慣で進行が早まります。 生活習慣を改善することで、「しなやかな血管」を目指しましょう。 @食事療法・・・低脂肪食と減塩を心がけましょう。 ●主菜は、肉料理よりも魚料理に。 ●食物繊維やコレステロールの酸化を防ぐ成分が豊富な食材を取り入れましょう。 (大豆・海藻・きのこ・ごまなど) ●野菜をしっかり食べましょう。 ●食べ過ぎないように、腹八分目を意識しましょう。 ●脂肪分やコレステロールの多い食品は避けましょう。 ●食塩は1日6g以下を心がけましょう。 |
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A運動療法・・・まずは歩くこと(ウォーキング)から ●1日30分を目安にすると良いでしょう。 ●無理をせず、継続することが第一です。 ●ニコニコペース(笑顔で話しながら歩けるペース)で十分です。 ●運動を始める前に医師のチェックを受けましょう。 ●体調が悪い日は休みましょう。 |